野村 幸世

東京大学 アイソトープ総合センター 特任教授

星薬科大学薬学部 教授 兼任

東京大学医学部附属病院胃食道外科 病院診療医 兼任

専門分野

胃癌の診断と治療

研究内容

1. 免疫コンピテントなマウスに移植可能な胃癌細胞株の開発

 多くの癌の治療実験は癌の細胞株を免疫不全マウスであるヌードマウスに移植して行われています。しかし、昨今の免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする、免疫が関連する癌微小環境の研究、治療実験には適しません。このため、免疫コンピテントなC57BL/6マウスに移植可能な胃癌細胞株YTNを開発し、使用したい世界中の研究者と共同研究を行っております。

Established gastric cancer cell lines transplantable into C57BL/6 mice demonstrate FGFR4 promotion of tumor growth.  Cancer Sci. 2018 May;109(5):1480-1492. doi: 10.1111/cas.13569. Epub 2018 Apr 15. PMID:29532565

2. At-211内照射療法による腹膜播種治療開発

胃癌の進展様式として腹膜播種の頻度が高いことが知られています。腹膜播種を根治することは難しく、予後の悪い難治性癌です。化学療法を含め、いまだ、有効な治療法はありません。これに対し、At-211を用いたα線内照射療法による治療を検討しています。上記細胞YTN16はFGFR4を高発現しており、At-211と抗FGFR4抗体を結合させ、腹膜播種を有するマウスの腹腔内に投与することにより、良好な治療成績を得ています。

その他最近の業績は以下のリンクに記載されています。

https://researchmap.jp/sachiyo1012